マルクス主義・共産主義は時代遅れというイメージがありますが、むしろ現代では資本主義・民主主義よりもずっと最適に近いシステムなのではないか?
ということを最近になって日に日に感じるようになりこの記事を書くことにしました。
ちなみ私は政治的には右派でも左派でもありません。そもそも政治に興味がないので選挙にすら何年も行っていないですし。他人の揚げ足取りをしヒステリックに不平不満を喚き散らすクソ野党やアベガーパヨクは大嫌いです。
安倍元首相に関してはむしろどちらかと言えば擁護派的なスタンス(アベノミクスに関しては懐疑的でしたが、全体としては自民党以外に政権運営に相応しい政党がないという意見)でした。左翼連中から見れば私はネトウヨにすら見えるでしょう。
しかし、そんな私でも冷静に考えれば考えるほど、現代ではあらゆる面で資本主義・民主主義よりもマルクス主義・共産主義の方が最適に近いシステムなのではないか、という結論に至らずにはいられない時代状況となってきました。
20世紀においては民主主義・資本主義こそが最適解だった
現代では資本主義・民主主義よりもマルクス主義・共産主義の方が最適に近い。
とはいえ20世紀においては民主主義・資本主義こそが最適解のシステムだったことは疑いようもありません。
マルクス・レーニン主義の理想を掲げた大国ソ連は崩壊し、毛沢東主義を推進した中国も一時崩壊寸前の状態となりました。
一方で繁栄を極めたアメリカなどの西側資本主義諸国。
この事実だけでも左翼主義者がどのように理屈を並べようが民主主義・資本主義こそが最適解のシステムであったことの証明に他なりません。
そしてソ連の崩壊と西側諸国の完全勝利によって、共産主義は完全に時代遅れの思想と見なされるようになりました。
1980年時点で当時はアメリカと双璧の大国と見なされていたソ連の崩壊を的確に予言していた小室直樹の「ソビエト帝国の崩壊」は最高の名著なのでおススメです。
時代状況によって最適なシステムは変遷していく
ただ、考えなければいけないことは、過去の歴史を振り返っても時代状況によって最適なシステムは変遷していくということです。
民主主義は17世紀18世紀の近代ヨーロッパで発明された概念ではなく、古代ギリシャの時代から存在していた制度でした。
もしも民主主義が絶対的な正解なのであれば、古代ギリシャが滅び君主制のローマ帝国やオスマン帝国に支配され続けることもなかったでしょうし、初期は共和制だったローマが帝政へと変わることもなかったでしょう。
民主制は一方では衆愚政治の温床でもあり、これによって古代ギリシャは衰退と滅亡へと向かって行くことになりました。
過激な発言のトランプ大統領の当選などを見るに、アメリカも末期の古代ギリシャと同様に民主制が腐敗し、衆愚政治へと向かっている段階ではないでしょうか。

このようにある時代においては元も優れていたシステムも、未来永劫まで常に正しいシステムである保証はありません。
この世界では時代が変われば正解は変わります。
資本主義も共産主義でもそれを常に正しい絶対不変の真理だと盲信すると一種のカルト思想になってしまうのです。

20世紀において資本主義が最適なシステムだった理由
ではそもそもなぜ20世紀において資本主義が勝利し共産主義が敗北したのか。
このことは20世紀という時代の歴史的観点と共に考察しなければいけない事象でしょう。
破綻の第一の理由として当時のソ連や中国の共産主義体制が余りにも稚拙だったということは言えます。
古代ギリシャやローマの共和制から2000年以上の長い歴史のある民主主義や18世紀の産業革命と共に誕生し200年の歴史のあった資本主義と比較し、20世紀の共産主義システムは1922年の体制確立から100年すらも経っていない未熟なものでした。
歴史が浅く全てが手探りであったためイデオロギーそのもの以前に運営が粗削りで杜撰で稚拙だから失敗したということです。
破綻の第二の理由として当時の社会の技術水準が非常に低かったということが言えます。
20世紀当時の社会は現在ほどは技術水準が高くなく、農業・工業などの生産活動や流通の自動化が進んでいませんでした。
特にロシアは19世紀後半時点でイリヤ・レーピンの絵画「ヴォルガの船曳き」で描かれたような原始的な人間の肉体労働に依存した社会でした。

その結果、「賃金という対価のために労働する資本主義の原則」を否定した共産主義国のソ連は、シベリア抑留などによって過酷な強制労働を人民に課さなければ国民の生活を維持することが出来なかったのです。

このような矛盾を抱えた共産主義は崩壊し、急速な発展と成長を遂げた西側資本主義諸国に圧倒的な大差で敗北する結果に終わりました。
21世紀では共産主義が最適なシステムとなる理由
しかし時代は変わり、21世紀においては共産主義こそが最適な社会システムとなりつつあります。
20世紀は未熟で杜撰であった共産主義も100年以上の年月によって初期と比較すれば非常に洗練されたものとなりました。
その証拠に21世紀に入って最も経済成長している国家はいずれも中国・ベトナムなどの共産主義国(共産党独裁国)です。
特に21世紀の中国の経済成長は圧巻で、2000年からの20年間で中国のGDPは15倍にも急拡大し、西側資本主義国にも関わらず経済の停滞する日本などを抜き去り、世界第二位の経済大国となりました。


「中国のGDPが大嘘だ」という話もありますが、貿易相手国側との統計と照らし合わせが可能で絶対に誤魔化しようのない輸出額でも急成長し世界一位となっておりますので、中国の経済発展は疑いようがありません。

またコロナ禍で世界経済が減退している現在でも共産主義国のベトナムは経済成長を持続しており、2022年第2四半期(4~6月)の実質GDPも前年比で年7%以上の経済成長となっています。

これは国家運営の基本は共産主義独裁体制でありながら、改革開放政策・ドイモイ政策などで資本主義的な要素を取り込むことで、よりバランスのとれた洗練された社会運営が可能となっているからです。
そして21世紀においては共産主義が合理的になった最大の理由は、ロボットと人工知能の普及による生産と流通の自動化によって、人間が労働をすることなく市民の生活を維持することが可能になってきていることです。
Amazonは2020年にドローン配達の認可を取得し、以下の映像のように完全無人で宅配が完了できるシステムを間もなく実現化しようとしています。

農業では過去10年でロボットや食物工場による自動化が劇的に進展。人間が農作業をせずに食料を生産できるシステムは現実的なものとなっています。
製造業においても生産自動化の技術は進展しており、今や複雑な機構のスーパーカーですらもコンピューター制御の3Dプリンターで製造可能になっています。自動車の組み立てや電子製品の製造に派遣ライン工の過酷な肉体労働を必要とする時代ではなくなりつつあります。
大工さんが建築している住宅も技術的にはすでに3Dプリンターで製造可能になっており、これが普及することで将来的には300万円で30坪の一戸建てを購入可能になる見通しです。

絵画「ヴォルガの船曳き」で描かれたような時代は完全に過去の話であり、人間の代わりにロボットと人工知能に働いてもらうことで、誰にも過酷な強制労働などを課さなくとも共産主義の理想を実現可能な時代となりつつあるのです。
時代遅れと決めつけずにマルクス主義を再考すべき現代
このように現代は時代が一周回って、時代遅れだったはずの共産主義やマルクス・レーニン主義が逆に資本主義よりも優位で最適な時代となりつつあります。
自分の考えとしては、住宅・食料・衣料・水道・エネルギーなどの人が最低限生きていくために必要な生活必需品とその流通・運輸・維持管理は、貨幣に依存しない共産主義的な配給システム(お金ではなく物資を支給するベーシックインカム制度)で賄う。
そして、芸術・文化・旅行・スポーツ・芸能・趣味・エンタメなどの余暇や趣味レジャー的な分野では消費者が価値と市場価格を決める資本主義の原理原則で運用するのが最適だと考えています。
とにもかくにもテクノロジーの発展と社会の現状から、今後世界では共産主義が資本主義を凌駕することはおそらく間違いありません。
マルクス主義は時代遅れだと決めつけずに、以下のような入門書を読んで共産主義の原点であるマルクス主義を再考してみてはいかがでしょうか。
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